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Anti Thrombotic Therapy.2016

【世界脳卒中学会2010 リポート】No.3
比較的若い高齢者、メタボリックシンドロームは急性脳梗塞の危険因子

 50~74歳の若年高齢者では、メタボリックシンドローム急性脳梗塞の危険因子であることが示された。岡山大学太田康之氏らが10月にソウルで開催された世界脳卒中学会2010で発表した。

 太田氏らは、日本の診断基準(内蔵型肥満、脂質異常症、高血圧および耐糖能異常)によって定義したメタボリックシンドロームと急性脳梗塞との関係を若年高齢者(50~74歳)と高齢者(75歳以上)で検証した。

 対象は、倉敷平成病院に急性脳梗塞で入院した50歳以上の患者73人(うち44人は75歳以上)と、脳健診を受けた50歳以上の対照被験者323人(うち52人は75歳以上)について調べた。脳梗塞には、アテローム血栓性梗塞(27人)、ラクナ梗塞(24人)、心原性塞栓症(19人)およびその他のタイプ(3人)があった。

 多重ロジスティック回帰分析では、50~74歳の比較的若い高齢者29人で、脂質異常症、高血圧、耐糖能異常およびメタボリックシンドロームが有意に急性脳梗塞と関係があった(順に補正オッズ比は5.664、4.869、3.390、3.214)。75歳以上の高齢者44人では、脂質異常症が有意に急性脳梗塞と関係があった(補正オッズ比は4.193)。しかしながら、メタボリックシンドロームは、心原性塞栓症および他のタイプの梗塞患者を除いても急性脳梗塞の有意な危険因子とはならなかった。

 これらの結果から太田氏らは、「日本の基準によって定義されたメタボリックシンドロームは日本の若年高齢者にとって急性脳梗塞の独立危険因子であるが、75歳以上の高齢者にとっては危険因子ではないことが示された」と結論した。

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