日経メディカルのロゴ画像

Anti Thrombotic Therapy.2016

ESC2009リポート
虚血性脳卒中・TIA患者では、頸部あるいは大脳動脈狭窄の存在が無症候性冠動脈疾患の予測因子に

パリ第5大学およびSainte-Anne病院のD Calvet氏

 虚血性脳卒中あるいは一過性脳虚血発作(TIA)の患者の18%に無症候性冠動脈疾患があり、さらに頸部あるいは大脳動脈狭窄の存在が無症候性冠動脈疾患の予測因子であることが報告された。64列マルチスライスCTによる解析で、パリ第5大学およびSainte-Anne病院のD Calvet氏(写真)が5月にストックホルムで開催された欧州脳卒中学会で発表した。

 Calvet氏らは、虚血性脳卒中・TIA患者における無症候性冠動脈疾患の有病率を明らかにするとともに、新たな有望な予測因子を探索することを目的とした。

 まず無症候性冠動脈疾患は、少なくとも1枝の冠状動脈狭窄(≧50%)と定義した。CTスキャンによる50%以上狭窄の診断はすべて、冠状動脈造影法によって確認した。頸部あるいは大脳動脈狭窄は、MRアンジオグラフィーおよび超音波によって評価した。また、冠動脈疾患リスクは、性別、年齢、血圧、コレステロール、糖尿病および喫煙のカテゴリーに基づくFraminghamリスクスコア(FRS) で評価した。

 対象は虚血性脳卒中あるいはTIAの患者(45~75歳)で、心原性脳塞栓症を除く、冠動脈疾患の既往のない300人を登録した。最終的に274人(平均62.5歳、男性が70%)が解析対象となった。

 解析の結果、274人のうち52%が正常で、30%がアテローム性動脈硬化症(50%未満狭窄)、18%が無症候性冠動脈疾患(≧50%狭窄)だった。

 無症候性冠動脈疾患(50人)と非無症候性冠動脈疾患(224人)の両群間でFraminghamリスクスコアを比較したところ、今後10年間の冠動脈疾患リスクが10%未満の人は、無症候性冠動脈疾患群が7例(14%)、非・無症候性冠動脈疾患群が82例(37%)だった。また、10-14%はそれぞれ9例(18%)と63例(28%)だったが、15%以上はそれぞれ34例(68%)と79例(55%)となり、冠動脈疾患リスクが高い人は無症候性冠動脈疾患群でその割合が多かった。

この記事を読んでいる人におすすめ