
神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科の坂井 信幸氏(司会)
頸動脈狭窄症の治療では、内科治療とCEA(頸動脈内膜剥離術)あるいはCAS(頸動脈ステント留置術)のいずれを選択するかが課題となる。また、CEAやCASを実施した場合でも、その後のイベントを抑制するために内科治療は不可欠である。そこで脳神経外科および神経内科の専門家4氏に、最新のエビデンスを踏まえた頸動脈狭窄症の治療について討論していただいた。なお、本座談会開催の直前、国際脳卒中学会(ISC 2010)においてシロスタゾールの脳梗塞再発予防効果を検証したCSPS II(Cilostazol Stroke Prevention Study II)の成績が発表されたので、その意義についても語っていただいた(日経メディカル別冊)。
《出席者》
神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
坂井 信幸氏(司会)
岐阜大学医学部脳神経外科
吉村 紳一氏
神戸市立医療センター中央市民病院神経内科
山上 宏氏
虎の門病院脳神経血管内治療科
松丸 祐司氏
CEAか内科治療か
坂井 これから頸動脈狭窄症の治療について討論を行いますが、脳梗塞再発予防試験CSPS IIの結果が報告されましたので、のちほどその意義についてもうかがいます。頸動脈狭窄症の治療法としては内科治療、CEA、CASの3つがありますが、最初に吉村先生、それらをどのように選択するかについてお話しいただけますか。