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Anti Thrombotic Therapy.2016

欧州心臓学会 リポート(4)
慢性完全閉塞の治療ではシロリムス溶出ステントがベアメタルステントより優れる
GISSOC II多施設無作為試験より

イタリアOspedale Villa ScassiのP.Rubartelli氏

 慢性完全閉塞では、血管造影法で観察した再狭窄および標的血管血行再建において、明らかにシロリムス溶出ステントSES)の方がベアメタルステントBMS)より優れていた――。多施設無作為試験であるGISSOC IIの結果、明らかになったもので、イタリアOspedale Villa ScassiのP.Rubartelli氏(写真)らがスペイン・バルセロナで開催された欧州心臓学会(ESC2009)で発表した。

 GISSOC IIは、2005年5月から2007年10月までの間、イタリアの13施設で行われた。対象は、1カ月以上経った慢性完全閉塞(CTO)患者で、再開通術が成功した152人について、SES移植(Cypher、74人)あるいはBMS移植(Bx Sonic、78人)のどちらかに無作為に割り付けた。主要評価項目は、8カ月フォローアップ時でのセグメント内最小内腔径とした。

 まず患者背景は、平均年齢は64±9.7歳、83%が男性、23%が糖尿病で、69%が心筋梗塞の既往があり、66%が多枝疾患をかかえ、36%が重い症状(クラスIII-IVあるいは不安定狭心症)のある患者だった。

 標的とする慢性完全閉塞病変は、患者の47%が右冠動脈、29%が左前下行枝、24%が左回旋枝にあった。すべてのベースラインの特性と手技の方法は両グループ間で同等であった。

 8カ月のフォローアップ時の結果は、表1の通り。ステント内最小内腔径、セグメント内最小内腔径、ステント内遅発性内腔径減少、セグメント内遅発性内腔径減少などの指標で、SESの方が有意にBMSより優れていた。合計再閉塞も、BMSが17.0%だったのに対しSESは0%だった。臨床的イベントでは、急性心筋梗塞はBMSが5.1%、SESが1.4%で有意差がなかったが、標的血管の再血行再建術(TVR)では、BMSが40.0%、SESが13.5%で、また、主要心血管有害事象(MACE)も、BMSが45.0%だったのに対し、SESは13.5%とSESの方が有意に少ないという結果だった。
 なお死亡、バイパス手術、遅発性血栓症、あるいは大きな出血性合併症は、観察されなかった。また、心筋梗塞の5分の4は病院内で発生した。

 これらの結果から演者らは、「さらに長期にわたるフォローアップを続ける必要がある」としつつも、「慢性完全閉塞の治療においては、SESがBMSより優れている」と結論付けた。

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