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Anti Thrombotic Therapy.2016

AHA2008リポート
SES留置症例における外科的処置の影響を症例登録データで検討

2009/03/12

 DES(薬剤溶出性ステント)留置術後の外科手術では、ステント血栓症のリスクが高くなるといわれているが、まだ明確ではない。そこで、京都大学大学院医学研究科循環器内科学准教授の木村剛氏らは、シロリムス溶出性ステント(SES)を留置した症例における外科的処置の影響を調べ、さらに抗血小板療法の効果を大規模・多施設の前向き研究で検討し、米国・ニューオーリンズで開催された米国心臓協会学術集会2008(AHA2008)で発表した。

 演題名は、Incidence and Outcome of Surgical Procedures after Sirolimus-Eluting Stent Implantation。

 対象は、j-Cypherの登録症例1万2824例で、1年追跡率は96%で、SESのみで治療されたのは1万778例(84%)だった。

 対象症例の総死亡率は30日時点が0.7%、1年が3.9%、2年が7.4%、心臓死亡率は30日が0.7%、1年が2.3%、2年が3.8%、突然死亡率は30日0.7%、1年0.7%、2年1.4%だった。

 一方、心筋梗塞発症率は、30日0.38%、1年1.05%、2年1.63%、ステント血栓症による心筋梗塞発症率は、30日0.3%、1年0.53%、2年0.68%だった。

 標的病変部再血行再建(TLR)は、BMS(ベアメタルステント)とSESが併用された症例(1456例)では、180日8.9%、1年20.2%、2年22.9%、SESのみが使用された症例(1万778例)では、180日2.1%、1年6.9%、2年10.1%で、大きな差がみられた。

 対象症例全体のステント血栓症累積発症率は、30日0.35%、1年0.59%、2年0.78%で、30日~2年の年発症率は0.2%だった。

 ステント血栓症発症率は、30日未満に発症した症例では2剤療法群0.23%、チエノピリジン系薬中止群0.66%、アスピリン中止群0%、2剤中止群0%、31日~180日に発症した症例では2剤療法群0.09%、チエノピリジン系薬中止群0.14%、アスピリン中止群0.74%、2剤中止群2.48%、181日~365日に発症した症例では2剤療法群0.09%、チエノピリジン系薬中止群0.02%、アスピリン中止群0%、2剤中止群0.61%、366日~548日に発症した症例では2剤療法群0.13%、チエノピリジン系薬中止群0.17%、アスピリン中止群0%、2剤中止群1.83%、549日~730日に発症した患者では、2剤療法群0%、チエノピリジン系薬中止群0.1%、アスピリン中止群0%、2剤中止群0%だった。31日~548日では、2剤療法群と2剤中止群の間に有意差がみられている(表1)。

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