日経メディカルのロゴ画像

反復唾液嚥下テストを使いこなそう

2020/07/20

 早くも25回目の記事となりました。連載をお読みいただき、心より感謝申し上げます。先日の記事で、反復唾液嚥下テストについて何かと反響をいただきましたので、今回はこの手法について、もう少しお伝えすることとしました。

 この試験は、嚥下障害のスクリーニングとして、我が国で開発されました(小口和代.リハビリテーション医学. 2000)。30秒間に嚥下できる回数を数えて、3回未満なら精査を勧めるのが原法です。嚥下造影検査での誤嚥に対して感度0.98、特異度 0.66と、スクリーニングとして高い検出力が証明されています。このカットオフ値は、脳血管障害を中心とする患者群で求められました。

 ここで気をつけたいのは、簡便な検査であるからこそ、嚥下の回数をいかに正確に数えるかにかかっているということです。検査時には、患者さんの喉頭隆起(甲状軟骨)と舌骨を触診しながら、嚥下をしてもらいます。患者さんの正面に座る場合は、第2指で喉頭隆起を、第3指で舌骨を触れ、喉頭隆起が第2指を十分に超えた場合のみ、1回の嚥下と数えます。患者さんによっては、嚥下の際に喉頭隆起があまり動かないことや、二段階に動くために数えにくいこともあります。また、嚥下をしかけたまま、未然に終わることもあります。その患者さんの動きの特徴を知るために、検査前にまず一度嚥下してもらい、指で確かめるようにしています。

(イラスト:Yurika Hirano)

著者プロフィール

吉松 由貴(よしまつ ゆき)氏。2011年大阪大学卒。淀川キリスト教病院での初期研修、同院呼吸器内科での後期研修を経て、現職は飯塚病院呼吸器内科勤務。現職の間、浜松市リハビリテーション病院と聖隷浜松病院で嚥下リハビリテーションに関して国内留学。

連載の紹介

吉松由貴の「誤嚥性肺炎、診療の知恵袋」
誤嚥性肺炎は、すんなりと治る病気ではありません。繰り返したり、命に関わることも多いのです。そんな誤嚥性肺炎の診療に、若手医師が日々どのような姿勢で挑んでいるのかを具体例を交えながらつづります。

この記事を読んでいる人におすすめ