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COPDの患者さんは嚥下障害に気づいていない

2020/07/02

 COPDなどの呼吸器疾患があると嚥下障害を合併しやすい理由と、そのスクリーニング法について、前回お話ししました(関連記事)。皆さんも画面の前で、反復唾液嚥下テストをされたかもしれません。ではこうした嚥下障害のスクリーニングで異常値であった場合は、どのような対応ができるでしょうか。

 まずは嚥下障害に関して、情報を集め、精査を検討します(スクリーニングというのは、精査を行う必要があるかどうかを見分けるためのきっかけですね)。既存の質問紙を活用すると嚥下にまつわる症状を網羅的に確認でき、次の計画が立てやすいかもしれません。

 当科では、国際的に最も広く利用されており日本語版の信頼性も示されているEAT-10を利用しています(若林秀隆,静脈経腸栄養,2014)。嚥下にまつわる自覚症状を問う10問から成る問診です。10点以上を異常とした場合、COPDにおける誤嚥の検出にも高い感度・特異度を示すことが報告されています(Regan, Dysphagia, 2017)。加えて、COPDで併発しやすい胃食道逆流症も嚥下障害を来しやすいため、FSSGも併せてとっています(Kusano, J Gastroenterol, 2004)。

 胃食道逆流症がありそうであれば、生活指導や薬物治療を試します(関連記事)。EAT-10などの嚥下にまつわる問診で、固形物が飲み込みにくいとか、嚥下しにくいために体重が減少しているなどの異常があれば、他疾患を併存していないか問診や身体診察をさらに行い、嚥下内視鏡や嚥下造影を検討することも一つでしょう。

著者プロフィール

吉松 由貴(よしまつ ゆき)氏。2011年大阪大学卒。淀川キリスト教病院での初期研修、同院呼吸器内科での後期研修を経て、現職は飯塚病院呼吸器内科勤務。現職の間、浜松市リハビリテーション病院と聖隷浜松病院で嚥下リハビリテーションに関して国内留学。

連載の紹介

吉松由貴の「誤嚥性肺炎、診療の知恵袋」
誤嚥性肺炎は、すんなりと治る病気ではありません。繰り返したり、命に関わることも多いのです。そんな誤嚥性肺炎の診療に、若手医師が日々どのような姿勢で挑んでいるのかを具体例を交えながらつづります。

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