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With COVID-19で心掛けたい3つのこと

2020/05/26

 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、日常診療が大きく変わりました。丁寧に診察をしたり、じっくりとお話しをしたりすることも、あまり良しとされません。私たちが受けてきた教育や、大切にしてきたことが根底から覆されたような気さえします。一方で、患者さんや医療者の安全を第一に考えることや、最も必要なところへ医療を提供できるよう広い視野で判断をする原則は、これまでとそう変わりがないのかもしれません。

 ではこの原則を、誤嚥性肺炎の診療で具体的にどう生かすのでしょうか。先日ご紹介した日本嚥下医学会の診療指針に加えて、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の注意喚起も大変参考になります。嚥下評価や訓練、口腔ケア、気管切開孔の管理など、個々の処置のどこに注意をしてどういった防護策をとるのか、代用できる処置がないのかを、信頼できる情報源から入手するようにしましょう。

 私が嚥下障害の修士課程を受講しているスペインのマタロ病院は、350床の病院でありながらCOVID-19を既に800例も診ています。もはや医療者も病院機能も疲弊しきっているのでは、という心配をよそに、「COVID-19流行期の嚥下障害診療、10のポイント」(文献1))を作成し、Web講演会で世界に発信。さらにはCOVID-19患者の嚥下障害に関する前向き研究を立ち上げ、既に150人ほどを組み入れているそうです。困難なときにこそ使命感を持って立ち向かう姿勢に、学ばされます。そんな10のポイントのうち、COVID-19の診療に直接携わっていない方でも、新型コロナウイルスとの付き合いが日常になっていくなかで心掛けたい、次の3つをご紹介します:(1)嚥下評価の前提条件、(2)観察の重要性、(3)抜管後の嚥下障害。

(イラスト:Yurika Hirano)

著者プロフィール

吉松 由貴(よしまつ ゆき)氏。2011年大阪大学卒。淀川キリスト教病院での初期研修、同院呼吸器内科での後期研修を経て、現職は飯塚病院呼吸器内科勤務。現職の間、浜松市リハビリテーション病院と聖隷浜松病院で嚥下リハビリテーションに関して国内留学。

連載の紹介

吉松由貴の「誤嚥性肺炎、診療の知恵袋」
誤嚥性肺炎は、すんなりと治る病気ではありません。繰り返したり、命に関わることも多いのです。そんな誤嚥性肺炎の診療に、若手医師が日々どのような姿勢で挑んでいるのかを具体例を交えながらつづります。

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