
(イラスト:池田八恵子)
これまで誤嚥性肺炎の診断と治療についてお話ししてきましたが、実は予防の方が奥深いのです。単に肺炎を予防すればよいわけではありません。誤嚥性肺炎=悪、誤嚥性肺炎がない状態=最善とは限らず、価値観は十人十色です。誤嚥性肺炎を繰り返しても「あのうどんは最高においしかった」と満足そうな方もおられれば、一度も再発しなくても「糊みたいな食事ばかり」と不愉快な方もいるのです。
誤嚥性肺炎の予防は、3段階で考えるようにしています。誤嚥をしないように、誤嚥をしても肺炎にならないように、そして肺炎になっても苦しまないように、です。