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原因不明の貧血はPPI長期服用のせい?

2019/05/27
田中 由佳里(仙台厚生病院 消化器内科)

研修医 田中先生! 2~3カ月前に他科を回っている時に診始めた方で、数カ月貧血が続いている70歳女性がいるんですが、相談いいですか?
田中 久しぶりだね。元気だった?
研修医 はい! 実はその方、胃食道逆流症(GERD)もあるため、プロトンポンプ阻害薬(PPI)を長期で内服しているんです。1回PPIをやめてみるのって、ありでしょうか。
田中 なぜ貧血でPPIをやめようと思ったの?
研修医 貧血に関する論文を当たっていたら、PPIの長期服用が貧血を起こすという報告を見つけたからです。もしかして、この方もそうなのかなと思って……(おもむろにGastroenterology誌の論文コピーを差し出す)。
田中 おお! ちゃんと勉強したんだね。この論文は、PPIとヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)を2年以上服用している人に鉄欠乏のリスクがあるということを示した大規模研究の結果だよね。判断する前に、この患者さんの貧血について、もう少し教えてほしいな。

著者プロフィール

田中 由佳里(仙台厚生病院 消化器内科)●たなか ゆかり氏。2006年新潟大学卒。機能性消化管疾患の研究のため、東北大学大学院に進学し、ストレスと過敏性腸症候群の関連をテーマに研究と臨床に従事。東北大学医学系研究科を経て、2019年から現職。

連載の紹介

田中由佳里の「ハラワタの診かた」
正しい機能性消化管疾患のエビデンス解説サイト「おなかハッカー」や、患者の日常生活課題について多職種連携による解決を目指した「おなかハッカソン」などを開催している消化器内科医が、機能性消化管疾患の面白さをお伝えします。

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