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便秘で気付くあの神経変性疾患

2019/02/12
田中 由佳里(東北大学医学系研究科行動医学助教)

研修医 先生、先日便秘で大腸内視鏡検査をされた70歳男性について、ご相談させていただいてもいいですか。

田中 ああ、大腸に便が相当溜まっていて、前処置に時間がかかった方だよね。

研修医 はい、排便頻度は週に1回あるかないか程度ということでした。センナをご自身で煎じて飲んで、何とか週に1~2回排便していたそうなのですが、だんだん効きが悪くなってきたということでした。

田中 便秘歴は長いの?

研修医 かれこれ10年くらい続いているのですが、ここ1~2年はさらに回数が減ってきたそうです。

田中 この方、他に何か治療中の疾患とかあったっけ? 手術歴はなかったよね?

研修医 手術歴はないのですが、ここ1年程、気分の落ち込みや疲労感が増えて外出が減ったとのことで、ご家族も心配されていたので、精神科の受診をお勧めしたんです。精神科では、確かに気分の変調はあるようだけど、うつ病までではないと言われて、気分安定薬を処方されたようですが、逆に気分の波が大きくなり体調が悪くなったので、今は薬を中止して様子を見ているようです。

田中 便秘の疾患背景にうつ病を疑ったんだね。研修医先生も、この1年でいろいろ分かるようになってきたね。精神疾患は、研修医や内科医には見分け方など難しいこともあるから悩ましいよね。あとで精神科の先生たちにうつ病の診断ポイントについて聞いてみるといいよ。快く教えてくれるはずだよ。

研修医 そうします。この方の対応は、今後どうしたらいいでしょうか……。

著者プロフィール

田中 由佳里(仙台厚生病院 消化器内科)●たなか ゆかり氏。2006年新潟大学卒。機能性消化管疾患の研究のため、東北大学大学院に進学し、ストレスと過敏性腸症候群の関連をテーマに研究と臨床に従事。東北大学医学系研究科を経て、2019年から現職。

連載の紹介

田中由佳里の「ハラワタの診かた」
正しい機能性消化管疾患のエビデンス解説サイト「おなかハッカー」や、患者の日常生活課題について多職種連携による解決を目指した「おなかハッカソン」などを開催している消化器内科医が、機能性消化管疾患の面白さをお伝えします。

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