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「PPI投与で胃癌リスク上昇」をどう考える?

2017/12/27
田中 由佳里(東北大学東北メディカル・メガバンク機構)

研修医  田中先生が日経メディカル連載でも取り上げていた「PPI長期投与者は有意に胃癌有病率が高かった」という論文、SNSでも結構話題にしている人を見かけました。

田中 私もSNSで言及している人を結構見たなー。その論文読んだ?

研修医 一応目を通して、研修医の検討会でも取り上げました。対象の人数も大きいし、なるほどなあって思っていたのですが、上級医の先生からは「ただ単に」PPIとH2ブロッカーの内服群を後ろ向きに比較しただけの研究デザインで、処方のランダム化がされていないことなど多々問題を指摘され、僕は「情報を鵜呑みにしすぎている」って言われてしまいました。

田中 研究の経験が浅いうちは、客観的に研究デザインの構造不備に気づくのは難しいからね。でもそうやって指摘してくれる先生がいるのは、本当にありがたいことだよ。

著者プロフィール

田中 由佳里(仙台厚生病院 消化器内科)●たなか ゆかり氏。2006年新潟大学卒。機能性消化管疾患の研究のため、東北大学大学院に進学し、ストレスと過敏性腸症候群の関連をテーマに研究と臨床に従事。東北大学医学系研究科を経て、2019年から現職。

連載の紹介

田中由佳里の「ハラワタの診かた」
正しい機能性消化管疾患のエビデンス解説サイト「おなかハッカー」や、患者の日常生活課題について多職種連携による解決を目指した「おなかハッカソン」などを開催している消化器内科医が、機能性消化管疾患の面白さをお伝えします。

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