日経メディカルのロゴ画像

第31回
切り替えが苦手な子にはタイマーで時間管理を

2017/08/18

 前回は思い通りにならないとかんしゃくを起こす子の親へのアドバイス方法を紹介しました。今回は、熱中するとやめられなくなる子を持つ保護者へのアドバイスです。

 テレビを見はじめるとやめられなくなり、お母さんがスイッチを切ろうとすると怒り出したり、いったんゲームで遊び出すといつまでも遊び続けたりする子がいます。

 私のクリニックの待合室にはミニカーが置いてあります。たいていの子は、診察を待っている間はミニカーで遊んでいても、名前を呼ばれて診察室に入る時にはミニカーを返しますし、診療が終わればもうミニカーで遊ぼうとはしません。

 ところが、診療が終わってもミニカーで遊び続け、帰ろうとしない子がいます。お母さんが「もうおうちへ帰るからミニカーを返しなさい」と言っても、返すことができずに泣き出してしまいます。

 こういった子どもたちは、切り替えが苦手です。何か一つのことを始めるとずっとそればかりをやり続け、途中でやめることができません。良く言えば集中力がありますが、お母さんにとっては食事やお風呂など次のスケジュールに進ませたいのにままならず、ストレスが溜まってしまいます。

キッチンタイマーで自分で自分を切り替え
 切り替えの苦手な子を育てている保護者から相談を寄せられたら、皆さんはどのようなアドバイスをしていますか? 私はこうした場合、言って分からせるのではなく、キッチンタイマーを使うことを勧めています。

 切り替えが苦手な子は、概して数字に対する興味が強いものです。2~3歳頃には数字を読めるようになっており、時計が好きでデジタル表示のタイマーの数字が変わっていくのを喜んで見る子が多いです。

著者プロフィール

横井茂夫(横井こどもクリニック院長)●よこいしげお氏。1975年慈恵医大卒。国立大蔵病院・都立母子保健院を経て、1998年より現職。医師国家試験対策予備校のテコムで小児科の授業を34年間担当し、医師国家試験とCBTの模擬試験問題や解説書を作成している。乗馬、落語鑑賞、料理が趣味。

連載の紹介

泣かせない小児診療ABC
診療所は子どもに「痛い、怖い」と思われがちな場所です。医療従事者は、できる限り子どもの不安を最小限にして子ども達がその子なりに乗り越えていけるよう、手助けをする必要があります。本連載では、横井氏が試行錯誤の末たどり着いた子ども達の不安を減らす診療の工夫を、内科や総合医の開業医向けに紹介します。

この記事を読んでいる人におすすめ