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第19回
保健所とクリニックでの乳幼児健診の違い

2015/05/29

 成長の節目に実施される乳幼児健診。今回は、3~4カ月健診についてポイントをご紹介します。

 この時期、乳児の体重はどんどん増えていきます。だいたい生後3カ月で約6kg、4カ月では約7kgくらい。少しずつ首がすわり始め、親の顔をよく見て声を出して笑うようになり、覚醒・睡眠の日内リズムもほぼ安定してきます。そして、指しゃぶりが増え、よだれが増えていろいろな反応が見られるようになります。この頃は子育てが楽しくなってくる時期でもあります。

子どもと医師の立つ場所で乳健は変わる
 3~4カ月健診には保健所などで行われる集団健診と、開業医が行う個別健診の2つの方法があります。前回に引き続き、この連載では市町村から健診の実施を委託された開業医で行う個別健診を想定して解説していきます。

 乳児健診には、誰もが納得できる一定の基準をつい求めがちです。しかし、人間は生物体なため個体差があります。さらに健診を実施する場所が変われば判断基準も変化します。つまり、健診を受ける子どもと健診を行う医師とが同じ組み合わせでも、開業医のクリニックで行う個別健診と保健所で行う集団健診とでは、判断基準が異なってしまうと感じています。

 私は保健所の集団健診後の経過観察健診を複数の保健所で20年ほど続けていますが、保健所での集団健診の判断基準はつい厳しくなりがちで、見逃しは少なくなるものの過剰に診断してしまう「見間違い」が増える傾向にあるように感じます。

 というのは、保健所の集団健診では、健診を受ける子どもや家庭の全体像が把握できていないため、見逃しをしないように基準を厳しくしがちだからです。体重増加がやや少なかったり、頸定がやや不安定だったりした場合、ほぼ正常範囲に近いケースでも「念のために経過観察」としてしまうのです。

著者プロフィール

横井茂夫(横井こどもクリニック院長)●よこいしげお氏。1975年慈恵医大卒。国立大蔵病院・都立母子保健院を経て、1998年より現職。医師国家試験対策予備校のテコムで小児科の授業を34年間担当し、医師国家試験とCBTの模擬試験問題や解説書を作成している。乗馬、落語鑑賞、料理が趣味。

連載の紹介

泣かせない小児診療ABC
診療所は子どもに「痛い、怖い」と思われがちな場所です。医療従事者は、できる限り子どもの不安を最小限にして子ども達がその子なりに乗り越えていけるよう、手助けをする必要があります。本連載では、横井氏が試行錯誤の末たどり着いた子ども達の不安を減らす診療の工夫を、内科や総合医の開業医向けに紹介します。

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