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第17回
母子手帳の書き方、少し見直してみませんか?

2014/11/20

 健診の際に言葉の遅れや運動発達の遅れ、体重増加不良などを認めた場合、ほとんどの医師が母子手帳の診察欄にそのままの言葉で、有意所見・異常所見として記載しているかと思います。

 では、皆さんはその子が十数年後に母子手帳の記録を見たとき、どんな気持ちになるか考えたことはありますか。

母子手帳の記入方法にも一工夫
 例えば、1歳6カ月健診のケースを考えてみましょう。指さしをして言語理解はありますが、有意語はない子どもが来院したとします。母子手帳には「言葉の遅れ」と記載するのが一般的です。しかし、これを将来本人が見たときに、自分には発達の遅れがあったのだと思わないでしょうか。

 続いて、3~4カ月での乳児健診の一コマです。母乳栄養で体重増加が少ない子どもが受診しました。このようなケースで記載しがちなフレーズが「体重増加不良」です。このような記録を残した場合、本人が大きくなってから母子手帳を見たときに、母親の母乳が十分出なかったのでは? と思うのではないでしょうか。

 もちろん、有意所見は的確に把握できるよう明確に母子手帳に記載を残す必要があります。ただ、子ども本人が見ても傷つかない表現方法にする必要があると私は思うのです。ちょっとしたことではありますが、日頃から診ている患児の将来のことを考えるとこうした配慮が私は重要だと感じています。そのため、有意所見を記載するときには、このような言葉を使っています。

著者プロフィール

横井茂夫(横井こどもクリニック院長)●よこいしげお氏。1975年慈恵医大卒。国立大蔵病院・都立母子保健院を経て、1998年より現職。医師国家試験対策予備校のテコムで小児科の授業を34年間担当し、医師国家試験とCBTの模擬試験問題や解説書を作成している。乗馬、落語鑑賞、料理が趣味。

連載の紹介

泣かせない小児診療ABC
診療所は子どもに「痛い、怖い」と思われがちな場所です。医療従事者は、できる限り子どもの不安を最小限にして子ども達がその子なりに乗り越えていけるよう、手助けをする必要があります。本連載では、横井氏が試行錯誤の末たどり着いた子ども達の不安を減らす診療の工夫を、内科や総合医の開業医向けに紹介します。

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