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第16回
「母子手帳」は読んで、見せて、使うべし!

2014/09/29

 母子健康手帳(通称:母子手帳)には、育児に必要なミルクの調乳方法から医療給付制度についてまで、様々な情報が記載されています。患児の保護者が記載した、妊娠から子どもが6歳になるまでの記録はもちろんのこと、母子手帳に掲載されている育児情報も案外、日々の診療に役立つものとなっています。

母子手帳に書かれた最近の育児情報をご紹介
 皆さんは、母子手帳の後半に記載されている最近の育児情報を読んだことがありますか? 意外と勉強になるものです。一部をご紹介していきます。

(1)乳児期の外気浴・日光浴
 昔の日本ではビタミンD欠乏性によるクル病が多く、予防のために乳児期の外気浴・日光浴が推奨されてきました。しかし、最近は母親の栄養も良くなり、ミルクにはビタミンDが添加されています。そのため、無理に外気浴をする必要はありません。

(2)粉ミルクの調乳方法
 厚生労働省は粉ミルクを調乳する際に70℃以上のお湯で調乳することを推奨しています。これはWHOの勧告を受けた2007年から。昔の調乳は微温湯を使っていましたが、身の回りにいる細菌・雑菌が万が一ミルクに入った場合や、調乳器具に付着していることを想定し、その菌を殺菌するために高温のお湯を使うように指導するようになりました。ほぼ熱湯でミルクを溶かし、出来上がりの温度も70℃以上となるため、調乳の際はやけどに注意が必要とも記載されています。

(3)歯磨きの習慣づけのポイント
 無理をせず徐々に歯磨きに慣らして行く方法が勧められています。実際の健診でも、1歳になり上下に門歯が生え始め歯磨きを始めたものの、歯磨き・ブラッシングを嫌がる子どもが多く、保護者によく尋ねられる項目です。そのような場合には、まず磨かないで人差し指で歯を触ることから始めるなどの要点が挙げられています。

著者プロフィール

横井茂夫(横井こどもクリニック院長)●よこいしげお氏。1975年慈恵医大卒。国立大蔵病院・都立母子保健院を経て、1998年より現職。医師国家試験対策予備校のテコムで小児科の授業を34年間担当し、医師国家試験とCBTの模擬試験問題や解説書を作成している。乗馬、落語鑑賞、料理が趣味。

連載の紹介

泣かせない小児診療ABC
診療所は子どもに「痛い、怖い」と思われがちな場所です。医療従事者は、できる限り子どもの不安を最小限にして子ども達がその子なりに乗り越えていけるよう、手助けをする必要があります。本連載では、横井氏が試行錯誤の末たどり着いた子ども達の不安を減らす診療の工夫を、内科や総合医の開業医向けに紹介します。

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