日経メディカルのロゴ画像

第5回
臍ヘルニアはテープ固定で治る
周囲から皮膚を寄せて止め、あとは待つだけ

2013/11/12

 臍ヘルニアは、乳児期に比較的よく見られる小児外科領域の疾患の1つです。今回は、臍ヘルニアを持つ子どもが小児科外来を受診した時の対応法を考えてみましょう。

 臍は出生後、臍帯が脱落した後に臍輪が瘢痕収縮して形成されます。臍輪の閉鎖が遅延したり不完全で小孔が残ってしまったりすると、その臍輪がヘルニア門となって腸管が脱出し、臍ヘルニア(俗称「出べそ」)が生じます。発生頻度は5%程度とされていますが、低出生体重児では発生頻度が高い傾向があります。

 臍ヘルニアは臍帯の脱落後、生後2~3週以降に生じます。表面は皮膚で覆われ、大きさは1cm程度のものから4~5cmに達するものまで様々です。啼泣や排便時には著しく膨隆し、安静時には縮小するなど、ほとんどの例で腹圧に応じてその大きさが変化します。

 腹圧低下時に臍ヘルニアを指で圧迫すると容易に脱出していた腸管が還納され、その際にグル音(腸雑音・腸蠕動音)が生じます。腸管が還納されると臍輪(ヘルニア門)が触知できます。その大きさは直径が数mmのものから指が余裕をもって挿入可能な程度までと様々です。特に大きな膨隆を生じている例では、表面の伸展が著しく、皮膚は薄く光沢を呈します。ほとんどの例で処置の緊急性はなく、臍ヘルニアの大きさは生後2~4カ月時に最大となり、それ以後は縮小します。

鶏卵大の臍ヘルニアがある患児が来院
 今回、予防接種を目的に来院した2カ月児に大きな臍ヘルニアを認めました。その臍輪(ヘルニア門)は鶏卵大ほどの大きさでした。これほど大きな臍ヘルニアを診たのは20年ぶりだったため、さすがの私も小児外科の外来に紹介しようか迷いましたが、ある方法を用いて治療したところ、簡単に治癒しました(写真1)。今回は当院で実施している臍ヘルニアの治療法を紹介します。

著者プロフィール

横井茂夫(横井こどもクリニック院長)●よこいしげお氏。1975年慈恵医大卒。国立大蔵病院・都立母子保健院を経て、1998年より現職。医師国家試験対策予備校のテコムで小児科の授業を34年間担当し、医師国家試験とCBTの模擬試験問題や解説書を作成している。乗馬、落語鑑賞、料理が趣味。

連載の紹介

泣かせない小児診療ABC
診療所は子どもに「痛い、怖い」と思われがちな場所です。医療従事者は、できる限り子どもの不安を最小限にして子ども達がその子なりに乗り越えていけるよう、手助けをする必要があります。本連載では、横井氏が試行錯誤の末たどり着いた子ども達の不安を減らす診療の工夫を、内科や総合医の開業医向けに紹介します。

この記事を読んでいる人におすすめ