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68歳男性。右胸部から肩、背中への痛みを訴え救急外来を受診
「肩や上腕のひどい疼痛」で見逃せない疾患は?

2016/11/24
山中克郎(諏訪中央病院総合診療科)

八ヶ岳連峰の編笠山(標高2524m)登山を楽しむ、水谷志穂先生(右)と小平のり子先生(左)

 ちまたで「山ガール」が話題のようだが、魅力的な山々に囲まれた諏訪中央病院にももちろん「山ガール」がたくさんいる。初期研修医2年目の水谷志穂先生もその1人だ。忙しい診療の合間をぬって八ヶ岳に出掛けている。水谷先生がこんな症例を内科カンファレンスで提示してくれた。

鎮痛薬無効の1カ月前から出現した痛み
 68歳男性が右の胸部から肩、背中への痛みを訴え救急外来を受診した。痛みは1カ月前から出現し、次第に増悪している。右上腕のしびれるような痛みで、時にズキンと電気が走るような激痛となる。痛みが楽になる姿勢はない。吸気時に痛みが走ることもある。痛み止めを内服し湿布を貼ったが全く効果はない。

 食欲はあり、体重減少はない。既往歴は20年前に虫垂炎の手術を受けただけである。定期内服薬はない。喫煙は30本/日を50年間以上続けている。アルコールは飲まない。清掃の仕事をしている。アレルギーはない。

 バイタルサインは体温36.7℃、血圧94/70mmHg、心拍数81回/分、SpO2 97%(室内気)。意識は清明であった。頸部や肩に圧痛はなく、上肢の筋力低下や感覚障害はなかった。初診時の胸部X線写真を示す(写真1)。異常を指摘できるだろうか。

著者プロフィール

山中克郎(諏訪中央病院院長補佐)●やまなか かつお氏。1985年名古屋大卒。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)一般内科、名古屋医療センター総合診療科、藤田保健衛生大学救急総合内科などを経て、2014年12月から現職。

連載の紹介

山中克郎の「八ヶ岳から吹く風」
総合診療医として唯一やり残したと感じる「地域医療」に取り組むため、諏訪中央病院に移った山中氏。「地域医療」や「地域での教育」によって日本の医療に貢献するという新たなチャレンジの日々を、八ヶ岳山麓で見つけた自然や人々との関わりとともに綴る。

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