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43歳女性、梅雨時期に毎日生じる頭痛
スマトリプタンを連日服用している女性への対応

2016/08/04
山中克郎(諏訪中央病院総合診療科)

自室の窓からの情景。野菜畑の向こうに運動公園が広がる

 私が暮らすアパートは病院から徒歩5分のところにあり、野球場や陸上競技場などを備えた広大な茅野市運動公園と私立高校に隣接している。早朝野球の歓声や器楽部の演奏が聞こえてくる。3階の窓から見下ろすと、野菜畑の向こうに公園が広がり、遠くには霞がたなびく山と青空が見える。窓から入ってくる涼風が何とも心地よい。

梅雨時期を中心に約3カ月続く頭痛
 43歳の女性が頭痛を主訴に来院した。頭痛は23歳からある。頭全体や両眼の奥がズキズキ痛むが、片側だけ痛むこともある。片頭痛の診断を10年前に受けている。スマトリプタン(商品名イミグラン他)が著効する。3年前から梅雨時期を中心に約3カ月間は、毎日頭が痛くなる。スマトリプタンを内服すると痛みは消えるため、毎日服用していたという。現在、頭痛は軽快している。この患者の病態をどのように考えればよいのだろうか。どんな介入が必要だろう。

 片頭痛の診断を確かめるため問診を続けた。閃輝暗点を含む視覚異常はない。頭痛がひどくなると嘔気/嘔吐がある。光過敏や音過敏もある。日常生活が妨げられることも多いようだ。月経前後に頭痛は多い。チョコレートは大好きだが、チーズや赤ワインはあまり取らない。頭痛時にイライラすることはなく、流涙や顔面紅潮もない。慢性的な鼻汁分泌はあるが、頭痛時に特にひどいわけではない。鼻閉はない。インドメタシンがよく効く頭痛を疑われ、インドメタシンを内服したが無効だった。頭痛に伴う嘔気のため、スマトリプタンをもどしてしまうことがある。このようなときはスマトリプタンの点鼻薬を使用しているという。スマトリプタンを飲まないと夜から朝まで痛みは続く。

頭痛の診断は正しく行われているか
 頭痛の診療では二次性頭痛の除外が最も大切である。二次性頭痛を疑うred flagを以下に示す。これらがあれば、MRIでの精査が必要となる。

著者プロフィール

山中克郎(諏訪中央病院院長補佐)●やまなか かつお氏。1985年名古屋大卒。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)一般内科、名古屋医療センター総合診療科、藤田保健衛生大学救急総合内科などを経て、2014年12月から現職。

連載の紹介

山中克郎の「八ヶ岳から吹く風」
総合診療医として唯一やり残したと感じる「地域医療」に取り組むため、諏訪中央病院に移った山中氏。「地域医療」や「地域での教育」によって日本の医療に貢献するという新たなチャレンジの日々を、八ヶ岳山麓で見つけた自然や人々との関わりとともに綴る。

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