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退院してからの発熱、頸部・腋窩リンパ節腫脹、顔面腫脹、咽頭痛
無菌性髄膜炎治癒後の大どんでん返し

2016/03/31
山中克郎(諏訪中央病院内科総合診療部)

 月曜日は、諏訪中央病院で卒後3年目後期研修医の出口愛美先生の初診外来を指導をしている。19歳男性が頭痛と嘔吐を主訴に内科外来を受診した。6日前から頭痛が出現し、次第に増悪し、3日前からひどい頭痛となり眠れない。2日前から嘔気・嘔吐もある。自宅近くの診療所を受診し鎮痛薬(アセトアミノフェン)を処方されたが改善しない。

 難治性のアトピー性皮膚炎があり皮膚科に通院中である。今まで片頭痛の指摘を受けたことはない。3種類の抗アレルギー薬を内服し、ステロイド外用薬を使用している。果物を食べると喉がかゆくなることがあるという。家族歴では、弟が1歳になる前に髄膜炎のため死亡している。

 体温36.7℃、血圧129/75mmHg、心拍数82回/分、呼吸数18回/分。意識は清明だが、項部硬直が少しありそうだ。出口愛美先生が腰椎穿刺を行った。細胞数94/μL(単核球99%、多核球1%)、髄液糖54mg/dL(血糖94mg/dL)の細胞増加を認めた。無菌性髄膜炎と診断し入院治療となった。

 入院後に総合診療科部長の佐藤泰吾先生の回診が行われた。継足歩行ができなくなっていることから、無菌性髄膜炎に伴う小脳炎の可能性が指摘された。皮膚科医の診察では、紅斑、丘疹、痂皮という様々な皮疹が頭部を中心に混在することから、水痘が疑われた。アシクロビルを14日間点滴投与し、全身状態の改善を認めたため、入院16日目に退院となった。

 しかし、これだけでは終わらなかった。

著者プロフィール

山中克郎(諏訪中央病院院長補佐)●やまなか かつお氏。1985年名古屋大卒。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)一般内科、名古屋医療センター総合診療科、藤田保健衛生大学救急総合内科などを経て、2014年12月から現職。

連載の紹介

山中克郎の「八ヶ岳から吹く風」
総合診療医として唯一やり残したと感じる「地域医療」に取り組むため、諏訪中央病院に移った山中氏。「地域医療」や「地域での教育」によって日本の医療に貢献するという新たなチャレンジの日々を、八ヶ岳山麓で見つけた自然や人々との関わりとともに綴る。

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