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ERでの待ち時間の長さが死亡率上昇につながっていたら?

2022/08/04
薬師寺 泰匡(薬師寺慈恵病院院長)

 前回、ERの待ち時間の話をしました。ERに待機させつつ、救急搬送困難事例を少しでも減らせたらという趣旨の話でした。救急車の行き先がなくなるというのは、社会インフラの行き詰まりを意味しますので、社会不安に直結します。今回は、もう一歩進んだ話をしてみます。「救急搬送さえできればいいのでしょうか?」という点です。

 当然、搬送さえできればいいということはありません。搬入後に医療が提供されて、初めて救急外来としての機能を担保できます。搬送することで、救急搬送というシステムをいったん維持することはできます。では、それは本当に患者さんのためになっているかという点を考えなくてはなりません。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院院長)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年から薬師寺慈恵病院に職場を移し、2021年1月からは院長として地方二次救急病院の発展を目指している。週1回岡山大学の高度救命救急センターに出入りし、ますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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