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やめて!コロナ患者の大脱走!!

2021/09/16
薬師寺 泰匡(薬師寺慈恵病院院長)

 「ショーシャンクの空に」という映画があります。無実なのに妻殺しの罪で投獄された男の、獄中での生活を描いた作品です。あまりにも有名なのでオチを言ってしまってもいいのかもしれませんが、黙っておきます。一つだけ申し上げておくと、終始淡々と進む物語の最後に、希望を感じさせてくれるシーンがあり、僕はその数秒間のためにこの映画を繰り返し見ています。

 さて、大学病院で実習中の学生や看護学校の学生と話していると、「おまえたちは受刑者か」と思うような質問が多いです。そんな時、この映画をよく思い出します。「トイレに行ってもいいですか?」「食事をとってきてもよいですか?」「休憩してもよいですか?」「私物を置いてきてもよいですか?」「部屋に入ってもよいですか?」「発言をしてもよいですか?」──。どうしたものかと思うのですが、とにかく許しを請うてきます。「ここは刑務所じゃないから、許可を求めるのではなく、提案してみてはどうか?」と言ってみるのですが、誰かが指導するのか、日々許可を求められ続けます。「一段落したらお昼休憩に行ってきます」などと言ってくれたらよいのに。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院院長)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年から薬師寺慈恵病院に職場を移し、2021年1月からは院長として地方二次救急病院の発展を目指している。週1回岡山大学の高度救命救急センターに出入りし、ますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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