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バッファローチェストを追い求めて

2021/07/22
薬師寺 泰匡(薬師寺慈恵病院院長)

 「バッファローチェスト」と呼ばれる病態があります。両側気胸のことですが、これはバッファローの解剖学的構造に由来します。バッファローは両側の胸腔がつながっており、片方の肺が気胸になると、もう片方にまで空気が及んで両方の肺が萎んでしまうのだそうです。はじめて両側性気胸が文献で紹介されて以降、バッファローチェストを語る時には、胸部への1本の矢または銃弾でバイソンを仕留めることができたネーティブアメリカンの逸話が添えられていました。しかし! 実はこの逸話にはきちんとした根拠がなかったようなのです。そこで、本当にバッファローもしくはバイソンの縦隔は特殊な構造になっているのか、いつでもバイソンを1本の矢で倒すことができるのかを調べたという論文が先日、Chest誌に受理されました。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院院長)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年から薬師寺慈恵病院に職場を移し、2021年1月からは院長として地方二次救急病院の発展を目指している。週1回岡山大学の高度救命救急センターに出入りし、ますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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