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何針縫ったかは大事な情報?

2021/04/22
薬師寺 泰匡(薬師寺慈恵病院院長)

 最近、外傷患者さんが増えてきました。活動性が高まっているからか、軽症から重症まで様々な外傷患者さんが搬送されてきます。昨年の今頃は、救急搬送がとても少なかったです。「とにかく人との接触を断とう」ということで、みんなが外出を自粛した結果、交通事故はもちろん、山へ芝刈りに行くとか、川に洗濯に行くとか、野焼きをするとか、そうしたことで事故に巻き込まれる人がいなくなりました。

 あれから1年、適切な感染予防策が行き渡り、飛沫感染を徹底的に避ければいいことが共有され、病院としての対策も形になってきました。外来診療や入院診療は、比較的安全を担保した状態で行えています。一方、「何とかなりそうだ」という雰囲気だけが社会に共有され、飛沫感染対策が不十分なままに街へ繰り出す人が増えてきました。ウイルスは何も変わっていないどころか、さらに凶悪になっているので、対策を1年前より怠れば、当たり前のように感染者は増えます。もともと住んでいた街の、とある祭の入魂式を見て、そんな街の雰囲気をひしひし感じました。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院院長)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年から薬師寺慈恵病院に職場を移し、2021年1月からは院長として地方二次救急病院の発展を目指している。週1回岡山大学の高度救命救急センターに出入りし、ますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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