日経メディカルのロゴ画像

嘔吐後の吐血だからマロリーワイス! でも嘔吐の原因は…?

2021/01/28
薬師寺 泰匡(薬師寺慈恵病院院長)

 マロリーワイス症候群という病気があります。嘔吐による嘔吐物の移動や、過度の食道の収縮による機械的刺激で、下部食道に裂傷が生じるものです。出血するので、何度も繰り返し嘔吐をしたのちに吐血したという病歴であれば、この疾患を疑うことになります。

 同症候群は、1833年に特徴的な食道下部潰瘍として最初の報告がありました。その後1929年にジョージ・ケネス・マロリーとソーマ・ワイスらが、急性アルコール中毒による繰り返しの嘔吐により発生した下部食道裂傷として報告したことから、彼らの名前を取って「マロリーワイス症候群」と呼ばれています。お酒を飲んで嘔吐して吐血して……を何度搬送されても繰り返す方がまれにいるのですが、分かっていてもお酒を飲んでしまうので、悲しい性です。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院院長)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年から薬師寺慈恵病院に職場を移し、2021年1月からは院長として地方二次救急病院の発展を目指している。週1回岡山大学の高度救命救急センターに出入りし、ますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

この記事を読んでいる人におすすめ