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エアロゾルボックスは感染防御に逆効果!?

2020/09/24
薬師寺 泰匡(薬師寺慈恵病院)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、気道に関連する手技(鼻咽頭の抗原検査検体採取や吸痰など)の際に、ウイルスを含むエアロゾルが排出される可能性が指摘されております。ここから感染を起こすのではないかということで、各医療機関は警戒を続けている状況かと思われます。救急においては、気管挿管がハイリスクではないかということで、飛沫の飛散防止のために患者の頭を覆うプラスチックボックス(通称エアロゾルボックス)を使用するのが有用だろうと、各医療機関がこぞって導入しました(関連記事:気管挿管時に飛沫はどこまで飛ぶ?)。2020年5月1日には、米食品医薬品局(FDA)も、「このエアロゾルボックスはいいぞ」ということで緊急使用許可を出しています。

 しかし8月21日、FDAはこの許可を取り消しました。エアロゾルボックスはじめとしたバリアは、意外にも医療従事者への曝露を減らすのに効果的でないどころか、曝露を増やしかねないというのです。

調べてみた人がいた
 FDAの決定の背景にあると思われる研究がこちらです。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年からいきなり管理職。地方二次救急病院で診療しながら、岡山大学の高度救命救急センターでますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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