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救急搬送減少の中、減少しないあの外傷

2020/05/07
薬師寺 泰匡(薬師寺慈恵病院)

 救急車の搬送件数が減っています。統計を取ってはいませんが、搬入される救急車は激減しており、消防署に確かめたら出動自体が減っていました。外出自粛の影響か、交通外傷が減少しているだけでなく、感染症の人も減っているような気がします。

 そんな中でも、いつものように訪れる外傷が腰椎圧迫骨折です。高齢者が自宅で尻餅をついたとか、重い物を持ち上げたとか、様々なパターンで来院されますが、気づいたら腰痛が……というように、受傷起点がはっきりしないことも多いです。軽いものを持ち上げただけで骨折する場合は、骨粗鬆症がひどいか、悪性疾患で骨が弱っていることも考えなくてはならないので、診断には大変難渋します。ちなみに、これまでに経験した「軽いものなのに持ち上げたら折れた」というエピソードの中で最も軽いと思われる物は、掛け布団でした。ぎっくり腰かと思いましたが、見事に圧迫骨折……。怖い。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年からいきなり管理職。地方二次救急病院で診療しながら、岡山大学の高度救命救急センターでますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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