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災害を予測せよ~ハザードチェッカー~

2019/10/24
薬師寺 泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター)

 台風19号が大きな爪痕を残していきました。多くの地域で洪水、浸水被害が出ております。堤防が決壊したほか、河川が氾濫し、都心部のタワーマンションの電気系統がダメになり、マンション機能に大幅な制限がかかるなど、これまで住民があまり具体的に想定していなかったと思われる被害も見られました。まだまだ水が引ききらない地域もあり、通り過ぎた災害として振り返るには早いなというのが率直な思いです。しかし、現在すでに南の海上で2つの台風が発生しており、自然は人間の都合など気にかけてくれないというのが現実だと実感しています。

 今回の災害では、ハザードマップと実際の被害がかなり一致することが分かりました。昨年、岡山県倉敷市で大雨の後に堤防が決壊して街が水没するということがありました。この地域は僕の実家周辺で、同級生の家も水没し、かなり衝撃を受けました。実はこちらもハザードマップと被害が一致しており、想定されていた被害であったことが分かり、非常に悔やまれました。どうあがいても抗いきれない部分は確かにあるかもしれませんが、少なくとも「想定外」という事態は避けられたらと思いますので、いつ来るか分からない、いつ来てもおかしくない災害に備えるためのツールを提示します。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年からいきなり管理職。地方二次救急病院で診療しながら、岡山大学の高度救命救急センターでますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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