日経メディカルのロゴ画像

上司の愚痴・悪口はガイドラインを守りましょう

2019/04/04
薬師寺 泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター)

 4月になりました。新年度あけましておめでとうございます。別れもあれば出会いもあります。それぞれの施設で、新しい風が吹いているのではないかと思います。当院も、4月から新しく3人の専攻医(新入部員)と、7人の初期研修医を迎え、物理的にも精神的にも盛り上がっているところであります。

 さて、そんな新年度なのですが、遡ること数日前、当院の研修修了式で「しんどくて何度も辞めたいと思った瞬間があった」と述べた研修医がおりました。その研修医は、辞めたくなるたびに同期やいろんな先輩に話を聞いてもらって、なんとか2年間の初期臨床研修を終え、他の施設の専攻医課程に進んでいきました。ところが今では「救急当直のバイトに行ってもいいですか?」なんて聞いてくれるようになっています。卒業してまだ数日で、辞めたかったのにやりたくなるってどういうことやねんというツッコミどころはあるのですが、プラスマイナスを総合したらプラスの思い出が勝っていたということなんだろうと、前向きに捉えています。

レジリエンスを磨け
 新年度早々、辞める辞めないなどという暗い話はしたくないのですが、それでもみんな、続けていけるだろうかとか、失敗したりしないのかとか、新生活への希望とともに一抹の不安を心に宿しつつ入職してくるのだと思います。10年ほど前、僕も不安だらけで入職した記憶があります。うまくいかないことももちろんあるでしょうが、なんとか続けていくためには、折れない心が大事だと思います。

 しかしこの「折れずに過ごす」というのは本当に難しい。めちゃくちゃ頑張って前向きに仕事をしていても、ある日突然バーンアウトに見舞われてしまうというのも救急の世界ではよく聞く話です。他科の医師の平均と比較して、救急医はオッズ比3.18でバーンアウトしやすいという研究もあります。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年からいきなり管理職。地方二次救急病院で診療しながら、岡山大学の高度救命救急センターでますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

この記事を読んでいる人におすすめ