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ショック時に輸液量で悩んだら「指を押す」

2019/03/28
薬師寺 泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター)

 面白い論文が出ました。敗血症性ショックで乳酸値を指標にした初期蘇生輸液をするか、CRT(Capillary Refilling Time:末梢血管再灌流時間)を指標にした初期蘇生輸液をするかを比較したランダム化対照試験(RCT)です。

 ショック時、ある程度の輸液をすることは必要ですが、近年は過剰輸液が問題視されてきています。敗血症性ショックで輸液への反応を見る際の指標は、中心静脈圧から乳酸濃度へと時代が移り変わってきました。しかし、乳酸濃度の上昇が、末梢の血流低下を直接的に反映するわけではありません。嫌気性代謝で乳酸が産生されるのは確かですが、臓器不全によりクリアランスが落ちていれば数値が低下するのに時間がかかります。

 何かしら頼りになる指標はないかということで、お金もかからず数秒で評価可能(数秒間爪を抑えて、白く変化したのが赤く戻るまでの時間を見るだけ)なCRTを用いようとなったわけです。しかしCRTのRCTってややこしいな!

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年からいきなり管理職。地方二次救急病院で診療しながら、岡山大学の高度救命救急センターでますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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