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救急医父娘2人旅
子連れで学会に行こう(海外編)

2017/12/07
薬師寺 泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター)

 以前、「子連れで学会に行こう」ということで、娘と一緒に日本集中治療医学会に参加した時のことを書きました。子育てをしている人が働きやすい職場をどう作るかということは、救急医学会でも近年積極的に議論されています。

 専門医資格を維持するためには学会に参加しなければならないという背景もあり、その道の最前線で頑張りたい気持ちがあれば、積極的な学会参加が求められます。しかし、子どもが生後間もなかったり、配偶者に時間的余裕がなかったり、両親の助けを借りにくかったりすると、育児と学会参加の両立はなかなか難しくなります。さらに子どもの父親、母親が同業者だったりすれば、同じ学会に参加しているということもあり得ます。

 個人的には、男性医師もどんどん子どもと関わる機会を作るべきだと考えており、子連れ医学会推進派を公言しているので、今回は海外の学会に子連れで参加してみました。

海外学会に参加する必要はあるのか
 インターネットで探せばすぐに論文を読めて、SNSなどでいつでもコミュニケーションを取れる時代になっておりますので、必ずしも海外の学会に行かないと日々の臨床や研究のアップデートができないかといわれたら、そんなことはないかもしれません。

 ただ、各国の医療事情や、他国のスタンダードに直接触れる機会を得られるので、日々の活動を客観的に振り返るチャンスになります。また自分の普段の医療に対して、より近い距離で様々な環境の人たちから意見をもらえる機会にもなるので、非常に有意義な時間だと考えています。日本がガラパゴス化していないかどうか、世界標準の医療を提供できているのかどうかということを見つめなおすのは大切なことだと思います。

 大学院の卒業要件に海外での学術集会での発表を課しているところもありますし、専門医更新の単位として関連国際学会の参加が認められる場合もありますので、個人的にはチャンスがあれば積極的に参加したいと思うようになりました。

アジア救急医学会議に行ってきた
 今回参加したのは、アジア救急医学会議(ACEM2017)です。開催地は、トルコのアンタルヤ。以前ACEM2015に参加したときの事をこのコラムに書いたとき、「次回ACEMは2017年。場所はイスタンブールです。行きたい! そして今度はもっと濃密な議論をしてみたいです」と書きました。演題を出す時点までは会場はイスタンブールだった気がしたのですが、いつの間にか会場はアンタルヤになっていました。目に見えない大いなる力が働いたのかもしれません。大人の世界には、いろいろな事があります。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年からいきなり管理職。地方二次救急病院で診療しながら、岡山大学の高度救命救急センターでますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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