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ER、大絶賛「外ポリ」中!

2016/06/16
薬師寺泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター)

 現在、当院に2人の医学生(大阪市立大学の6年生)が救急の臨床実習のために来てくれています。俗に言う「外ポリ」ですね。外ポリって何やねんって思った人もいらっしゃると思いますが、大学外で行うポリクリを「外ポリ」と呼んでいます。いやいや、そもそもポリクリって何やねんといった感じでしょうか? ポリクリとは、医学部医学科の高学年が病院で実習することをそう呼びます。

 呼んでいるのですと言いつつ、僕の大学時代はポリクリではなく「臨床実習」と言っていました。大学ごとに風習が違うのかもしれません。ポリクリってなんとなく可愛らしい響きですけど、語源を調べてみると、ドイツ語で総合病院を意味するポリクリニック(Poliklinik)らしいです。ただ、なんでこの言葉が病院実習を表すのかはよく分かりません。知っている人は教えてください…。

 さて、このポリクリなのですが、通常は外来見学、病棟実習、手術見学などから構成されます。外来診療や実際に処置することはないのですが、病棟で受け持ち患者さんを与えられて、その患者さんから多角的に疾患を学ぶことができます。それまで座学で培ってきた知識を実際の臨床の場で統合していくわけですね。そしてこれから羽ばたくであろう臨床の場を実際に見ることでモチベーションを高めつつ、将来進む診療科を選択するときの参考にするのです。

ポリクリの進化形、「クリクラ」
 近年ポリクリは進化して、クリニカルクラークシップ(clinical clerkship)、通称「クリクラ」に変わってきました。クリクラは診療参加型臨床実習と言われるもので、従来の見学型臨床実習とは異なり、学生も医療チームの一員として実際の診療に参加し、より実践的な臨床能力を身に付けることを目的とします。

 クラーク(clerk)とは、書記とか事務員を意味する言葉ですが、学生が医師の指導の下でクラークとして患者を受け持つことで、実際の臨床の基本を修得していきます。臨床実習に参加する学生を「student doctor」として、院内の身分を与える大学もありますよね。というわけで、大学外でやるクリクラなので、もしかしたら「外クリ」とか「外クラ」とか呼んだ方が適切かもしれません。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院院長)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年から薬師寺慈恵病院に職場を移し、2021年1月からは院長として地方二次救急病院の発展を目指している。週1回岡山大学の高度救命救急センターに出入りし、ますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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