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警察さん、それ救急車呼んじゃいます?

2015/06/11
薬師寺泰匡

 「患者が救急だと思ったら救急

 これは結構大事なことです。近年よく指摘される救急車の不適切利用について「急患でもないのに救急車を呼んで…」といった感じで責める風潮がありますが、患者自身が切迫した状況なのかどうかを判断するのはなかなか困難だと思うのです。初期臨床研修医も、切迫しているかどうかを適切に見抜けるようになるために救急ローテートをしていただくわけですし、その水準を患者に求めるのは少し酷です。

 もちろん、「タクシーはお金がかかるから」とか、「救急車で行ったら並ばなくて済むから」みたいな理由で救急要請されると、キィィってならなくもないです。キィィってなりつつも、要請があれば受けたいので受けます。

 救急外来は緊急度の高い人がもちろん優先されるので、救急車で搬送されたとしても、バイタルサイン確認後に外来ブースで待てそうな人はそのまま座って順番を待ってもらうことがあります。逆に外来にWalk-inでいらっしゃった人でも、緊急度が高ければそのまま救命室に入れて対応することもあります。こういう調整は医療側で行って、結果的に取りこぼしなく重症度が高い人や緊急度の高い人を診察できたらいいのだと考えています。そのトリアージをするのもERの大事な仕事だと思うのです。

「オカマ掘られて首?痛いのお尻じゃなくて?」
 まぁトリアージの話は置いといて、今回のテーマは警察組織の救急車利用についてです。結構交通事故や傷害事件などのときに、警察から救急要請されることがあります。先日も「殴られて鼻血が出た」人や「乗用車を運転していて後方から追突された」人などが搬送されてきました。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院院長)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年から薬師寺慈恵病院に職場を移し、2021年1月からは院長として地方二次救急病院の発展を目指している。週1回岡山大学の高度救命救急センターに出入りし、ますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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