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寿司職人も救急医も?オリーブオイルを準備せよ!

2015/01/06
薬師寺泰匡

 みなさま明けましておめでとうございます。ひょんな事から始まったこの連載ですが、太く長く続けていく所存でございます。どうぞ今年もよろしくお願いいたします。

 さて、今回の話題は、医療とオリーブオイルについてです。

「美味しいもの」につられて富山大学へ
 僕はプロフィールにある通り富山大学を出ております。足を踏み入れた事もない北陸の地へ行くのはそれなりに不安もありましたが、受験したのには訳がありました。どうしても漢方が勉強したかったのではありません。せっかく一人暮らしをするなら食べ物がおいしい所へいきたいなと思い、いろんな人に「食べ物のおいしい所を教えてほしい」と聞いてまわったのです。

 そこで、中学校の部活の先生に
「富山は魚も酒も最高だ。特に冬の寒ブリは食べないと!」
と言われたのを真面目に信じて受験したのでございます。

 「確かに水も空気も美味しく、正に米どころ。日本酒が美味しくない訳がない…」。それからは勉強に全く関係のない食べ物のことばかりを考える毎日。僕は物理選択なのに、受験の数週間前に初めて赤本なるものを開き、受験科目に生物が含まれる事を知って絶望しかけたほど、食べ物に釣られておりました。あまり飲んだ事もない日本酒への想像力には富んでいたくせに、目先の試験への想像力が欠如していたわけです。

 試験の集団面接では、「なんでうちの大学受けたの?」という質問に、4人中僕以外の3人が「漢方を勉強したくて受験しました」みたいなことを言っていて、「へぇ、漢方が有名なんだぁ」なんてことを他人事のように思った記憶があります。実際漢方の勉強にはある程度力を入れていて、6年間を通じて六君子湯くらいは読めるようになりました(笑)(参照:読める?読めない?意外と読めない医療用語)。

 ちなみに、この時の質問に対して僕は「水と空気と酒と魚がおいしいと聞いてきました!」と正直に申し上げたところ、面接官が爆笑して一気に場の雰囲気が和みました。1人の面接官は、「それでは合格したら6年間存分に楽しんで下さい」と仰って下さいました。もしこれから受験生の面接や新入社員の面接にあたる方がいらっしゃいましたら、このような寛大な心で接していただけましたら幸いです。

 これで不合格でしたらただのアホでしたが、なんとか大学には合格しました。そんなわけで魚を食べに富山まで行ったので、学生の間に何件か行きつけの店ができました。卒業した今でも年に何回かは富山に赴き、富山のお寿司を食べるように努力(?)しています。

 さて、前置きが長くなりましたがここからが本題です。富山の行きつけのお寿司屋さんに前回行った時のこと。さすがのクオリティに大満足で食事を終えた際、大将からこんな提案がありました。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年からいきなり管理職。地方二次救急病院で診療しながら、岡山大学の高度救命救急センターでますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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