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読める?読めない?意外と読めない医療用語

2014/12/30
薬師寺泰匡

 医者って文系なのか理系なのかって高校生の時に考えたことがあります。その時は「どう考えても理系だろう」と思っておりましたが、医者になってこうして文章を書く仕事をするようになると、「やっぱり医者って文系かも」なぁんて思ってしまいます。昔から親に「文学を読みなさい」と言われて育ってきたのですが、全く読んでおりません…(汗)。文章を書くようになって初めて、「今更読んでおけば良かった」と後悔するのでありました。

 さてそういうわけで、本日は国語の時間です。読めそうで読めない、読めているようで実は間違っている医学用語について、皆さんの知識を再確認してみましょう。

(1)喘鳴
 これは皆さん読めますよね。ゼイゼイいっているときのアレです。ゼイゼイいっているので、「ぜいめい」と読んでしまいそうになりますが、違いますよ。

 「ぜんめい」が正解です。間違えていた人はこの機会に覚え直して下さい。正解者は僕に褒められても嬉しくないでしょうから、密かに喜んでください。

(2)流涎
文字の通りよだれがダラダラ流れている状態ですね。これも意外に読めない人がたくさんいるようです。研修医が僕に患者プレゼンするとき「りゅうえん」と言っていて、一瞬何の事か分からなかったけど文脈から判断して理解したことがあります。「りゅうえん」ではありません。

 「りゅうぜん」です。うっそまじ?って思った人は悔い改めて勉学に勤しんで下さい。

(3)惹起
 これは日常生活であまり使わない言葉ですね。何かを引き起こすときに使う言葉で、「炎症反応を惹起する」みたいに使いますが、「そうき」って読んでる人がいました。残念ですが違います。

 「じゃっき」が正解です。よろしくお願い致します。

 関係ないですが、励起を「ぼっき」と読んでる人がいて爆笑したことがあります。励起(れいき)は物理の言葉ですが、原子や分子にエネルギーを外部から与えて、より高いエネルギー定常状態に持っていくことを指します。まぁアレがより高いエネルギーを持つということでイメージ的にはOKなのでしょうか…。医療の世界ではシルデナフィルがその役割を担うのかもしれません。あぁ…僕には必要ないですからね…(聞いてないって)。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院院長)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年から薬師寺慈恵病院に職場を移し、2021年1月からは院長として地方二次救急病院の発展を目指している。週1回岡山大学の高度救命救急センターに出入りし、ますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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