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【連載第9回】(最終回)
続発性骨粗鬆症とステロイド性骨粗鬆症

2007/06/07

表1 骨粗鬆症の分類

 骨粗鬆症には、原発性の骨粗鬆症のほか、基礎疾患に伴い骨が脆弱化し骨折危険性が増す続発性骨粗鬆症がある(表1)。性腺機能低下症や甲状腺機能亢進症などの内分泌・代謝疾患、胃切除など消化器疾患など、多くの疾患に伴って骨粗鬆症が引き起こされる。

 続発性骨粗鬆症は、疾患の多様性に加えて、病期、病態の継続性、患者年齢と関連した原発性骨粗鬆症の背景因子、治療手段の進歩・変更による危険因子としての重篤性の変化など、時代を反映した様々な変動要因がある。

 例えば、諸外国では臓器移植の進展により、移植後骨粗鬆症が注視されている。また、関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患に対する抗体(生物製剤)療法やCOX-2阻害薬などの新薬は、個々の患者でのステロイド使用量や使用機会を減らす一方で、副作用として骨粗鬆症を招くこともある。前立腺癌に対するゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)誘導体の投与で、骨密度が減少したという報告もある。

 海外のデータではあるが、骨粗鬆症と診断されフォローアップしていた1015人を解析したところ、8.6%に続発性因子の関与が疑われ、それらは甲状腺機能亢進症(10人/33人)、副甲状腺機能亢進症(10人/33人)、ステロイド服用(7人/33人)という割合だったと報告されている(引用文献1)

ステロイド性骨粗鬆症は骨密度以上に構造劣化
 また、ステロイド薬の長期使用に伴うステロイド性骨粗鬆症では、骨折は30~50%に認められる(引用文献2)。本症の場合には、骨量の減少程度に比して脊椎圧迫骨折が起こりやすいことが知られており、骨密度以上に骨梁構造を中心とした内部構造の劣化が進展している可能性が指摘されている。

 一般に、閉経後女性では骨密度が1SD(12%)低下すると骨折危険率が約2倍に高まることが知られているが、グルココルチコイド内服中の患者では、椎体の骨折危険率は3.2~12.3倍程度にまで高まるといわれている。

著者プロフィール

和田誠基(城西国際大学薬学部教授)●わだ せいき氏。1986年防衛医大卒後、陸上自衛隊医官として勤務。95年防衛医大指導教官、陸上自衛隊衛生学校教官。97年埼玉医大内分泌糖尿病内科講師。2004年より現職。

連載の紹介

【臨床講座】骨粗鬆症診療の最新エッセンス
骨粗鬆症の日常診療で押さえるべきポイントは? 骨と骨代謝の本質を分かりやすく解説するとともに、2006年に改訂されたガイドラインを念頭に置いた骨粗鬆症の診断、薬物療法、食事療法などの最新動向を紹介します。

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