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【連載第8回】
骨粗鬆症の患者指導を成功させるコツ

2007/05/31

 骨粗鬆症の臨床に骨折抑制効果が証明された様々な薬剤が登場していることは既に述べた(連載第4回連載第5回参照)。骨粗鬆症による骨折リスクを十分に低下させるためには、必要に応じて薬物療法を行わなければならない。しかし同時に、患者固有の状況を把握した上で、食事療法運動療法を勧めることも必要だ。

 例えば、耐糖能障害や糖尿病があり、カロリー制限をしている患者や、高血圧で塩分制限をしている患者、血清コレステロールが高くコレステロール制限をしている患者などは、それぞれに応じた食事指導とともに、カルシウム、ビタミンが充足される食事が必要となる。

カロリーを抑えつつカルシウムを摂取する
 現在でも日本人のカルシウム摂取量は少なく、厚生労働省が推奨する600mgを充足していない。日本人のカルシウム摂取は、乳製品から28.5%、野菜・果物類から21.3%、豆類から13.4%、魚介類から11.6%となっている。ただし、加齢に伴い、乳製品の摂取が減少してくることが多いため、さらにカルシウム摂取量が減少する。

 では乳製品の摂取を勧めればよいかというと、そうではない。乳製品の摂取を勧めると、摂取カロリーも増加するからだ。60歳の1日当たりの摂取カロリーを例に取ると、女性では1400kcal、男性では1700kcal程度で十分と考えられる。そのため、このカロリーの中でどのようにカルシウムやビタミンDやビタミンKを摂取し必要量を充足させるかが重要となるのだ。

著者プロフィール

和田誠基(城西国際大学薬学部教授)●わだ せいき氏。1986年防衛医大卒後、陸上自衛隊医官として勤務。95年防衛医大指導教官、陸上自衛隊衛生学校教官。97年埼玉医大内分泌糖尿病内科講師。2004年より現職。

連載の紹介

【臨床講座】骨粗鬆症診療の最新エッセンス
骨粗鬆症の日常診療で押さえるべきポイントは? 骨と骨代謝の本質を分かりやすく解説するとともに、2006年に改訂されたガイドラインを念頭に置いた骨粗鬆症の診断、薬物療法、食事療法などの最新動向を紹介します。

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