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【連載第2回】
骨粗鬆症はなぜ恐ろしいのか

2007/04/12

図1 寝たきりの原因疾患

 骨粗鬆症は、多くの人々に「最近、何となく耳にすることが多くなってきた疾患」と認識されている。しかし、実際に「どんな病気ですか」と尋ねても、なかなか正確には答えられない。

 現在、骨粗鬆症は、「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患(NIHコンセンサス)」と定義されているが、内実は分かりにくい。むしろ、その重要な合併症である大腿部頸部骨折椎体骨折橈骨遠位端骨折などが直感的あるいは観念的に結び付きやすい(図1)。

 広く一般に「骨粗鬆症=骨折、骨折=寝たきり」という、単純な図式で本疾患を理解されており、不安感のみが先行している場合が少なくない。この不安感が、時間の経過、あるいは医師の根気強い説明によって解消されると、一方で受診の中断が見られるようになり、医家泣かせの疾患でもある。

国内患者数は約1200万人、うち加療は2割にとどまる
 現在、日本は世界一の長寿国であり、平均寿命は飛躍的に延びた。それとともに、女性は閉経後、女性ホルモンの欠乏した期間を30年程度経験することになった。生活パターンは欧米化したが、日本人のカルシウム摂取量は低値のままであり、運動の機会は減少している。

 骨粗鬆症はこのような社会変化に伴い患者が増大した疾病であり、遺伝的素因に加えて内分泌環境の変化、カルシウム摂取不足、運動不足など、多因子が加味されて徐々に進行する。

 現在、日本には骨粗鬆症患者はどのぐらいいるのだろうか。

著者プロフィール

和田誠基(城西国際大学薬学部教授)●わだ せいき氏。1986年防衛医大卒後、陸上自衛隊医官として勤務。95年防衛医大指導教官、陸上自衛隊衛生学校教官。97年埼玉医大内分泌糖尿病内科講師。2004年より現職。

連載の紹介

【臨床講座】骨粗鬆症診療の最新エッセンス
骨粗鬆症の日常診療で押さえるべきポイントは? 骨と骨代謝の本質を分かりやすく解説するとともに、2006年に改訂されたガイドラインを念頭に置いた骨粗鬆症の診断、薬物療法、食事療法などの最新動向を紹介します。

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