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第5回 身体化症と発達障害
厄介な慢性痛への対応で注意すべき2つのタイプ

2019/02/01
新井 健一、牛田 享宏(愛知医科大学病院痛みセンター)
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 器質的所見が見られないにもかかわらず、慢性痛を訴える患者の中には、精神的な苦痛・ストレスが身体症状として現れる身体化症(身体表現性障害)による疼痛に苦しむ症例が一定数存在する。また、発達障害の人が慢性痛を訴える場合、「痛み」を表現する言葉が異なっていたり、痛覚閾値が正常から逸脱している場合がある。

 これらの特殊ケースでは、診療した経験があったり存在を意識していないと適切な対処が遅れやすい。本稿では、私たちが経験した身体化症の症例と、発達障害であった慢性痛患者の症例について経過を示した上で、それぞれの特性、問題点、治療法などに関して述べていく。

著者プロフィール

牛田享宏(愛知医科大学学際的痛みセンター教授)●うしだ たかひろ氏。1991年高知医科大学卒。神経障害性疼痛モデルを学ぶため1995年テキサス大学医学部客員研究員、2004年ノースウエスタン大学 客員研究員、同年高知大学整形外科講師を経て、2007年から現職。慢性の痛みに対する集学的な治療・研究に取り組み、2012年から愛知医科大学医学部運動療育センター長を併任。厚生労働省の「慢性の痛み診療・教育の基盤となるシステム構築に関する研究」の研究代表者。

連載の紹介

「こじらせ疼痛」にどう向き合う
慢性的な疼痛は、身体的な問題、精神心理的問題、社会問題が複雑に合わさって生じるものです。そのため、慢性疼痛を抱えた患者の診療には麻酔科、精神科、整形外科など様々な診療科の知見を組み合わせた集学的・統合的な治療が求められます。本連載では、疼痛をこじらせてしまった症例を取り上げ、症状の経過を振り返りながら、日常診療で見落としがちな特徴的な症状・病態・経過、薬剤処方における注意点、患者への接し方などについて解説いたします。

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