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「外用薬がなくなったら受診」では水虫は治らない

2012/08/20

 鏡検で白癬菌を検出してしっかり水虫と診断し、病変の状態も観察して刺激性皮膚炎の心配もなさそうだと判断。びらんもないので、クリーム基剤の外用抗真菌薬を処方することになりました。処方箋を書きながら患者さんに、「では、塗り薬を出しておきますから、患部にしっかりと塗ってくださいね」と説明して、診察終了──。

 ここまで説明してきた、水虫診療で陥りがちな落とし穴はきちんとクリアできています。「しっかり塗ってくださいね」と念押ししました。でも残念ながら、大切なことが一つ抜けています。それは「外用指導」です。

 塗り薬は、当たり前のことですが、病変部に薬がつかないと効果を発揮できません。飲み薬は飲んでくれさえすれば体中に行き渡りますが、塗り薬は患者さんがきちんと「適切なタイミングで」「必要な範囲に」「必要な量」を塗布してくれないと効きません。特に「必要な範囲」と「必要な量」が大切で、次いで「適切なタイミング」も守れれば、より効果が高まります。

 「しっかりと塗ってくださいね」という“指導”だけでは、塗り方に関する重要なポイントが患者に伝わらないのです。今回は、外用抗真菌薬の塗り方と、外用指導について解説していきます。

著者プロフィール

常深祐一郎(東京女子医大皮膚科准教授)●つねみゆういちろう氏。1999年東大卒。東大病院と国立国際医療センター皮膚科で研修後、東大皮膚科医員、助教を経て、2014年から現職。医学博士。日本皮膚科学会認定専門医、日本医真菌学会認定専門医。

連載の紹介

【短期集中講義】水虫治療 常識のウソ
もはや国民病となった水虫。でも、まだまだ、医師や医療関係者の中にも誤解は多いようです。水虫はきちんと理解して治療すれば完治も可能です。もう一度、しっかり勉強してみましょう。なお本連載では、愛着も込めて、白癬をあえて「水虫」と称します。

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