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「鏡検」は水虫診断の要。でも奥が深い

2012/07/11

 もう一度、復習しましょう。前回、述べました通り、水虫は見た目だけ診断することはできません。いかに皮膚科医といえども、臨床像だけで診断するのは間違いのもとです。

 診断には顕微鏡検査(鏡検)が必要です。鏡検では鱗屑(剥けかかった角層)や水疱を一部採取し、KOH溶液で溶解し、顕微鏡で観察して、菌糸や胞子などの菌体を探します。鏡検は、簡便でその場で結果が出る、とても優れた検査です。いろいろな検査技術が発達した現在においても、鏡検は水虫の検査で不動の地位を誇っています。

 というわけで今回は、この鏡検について解説します。皮膚科医が、普段どのように水虫の検査をしているのかをご覧になってください。



【手順1】鱗屑や水疱蓋を採取する。

 鏡検で最も重要なプロセスです。意外に思われるかもしれませんが、検体を採取する作業が実は大切です。なぜなら白癬菌は、足白癬だったとしても、足全体に均等にいるわけではないからです。

 白癬菌がいないところの鱗屑を鏡検しても、もちろん菌は検出できません。それで「水虫ではない」と結論してしまうと、誤診(本当は水虫なのに、水虫ではないと判断してしまう)となります。白癬菌がいる可能性が最も高い部分から、検体をとらなくてはいけません。

 病変のどこに白癬菌がいるのかが分かれば、鏡検の精度は高まります。白癬菌がいるはずの部分から検体をとって白癬菌が見つからなければ、水虫である可能性はかなり低くなるからです。そして、さらに確実性を高めるために、検体は複数部位から採取することが原則となります。



【手順2】採取した検体を処理する。

著者プロフィール

常深祐一郎(東京女子医大皮膚科准教授)●つねみゆういちろう氏。1999年東大卒。東大病院と国立国際医療センター皮膚科で研修後、東大皮膚科医員、助教を経て、2014年から現職。医学博士。日本皮膚科学会認定専門医、日本医真菌学会認定専門医。

連載の紹介

【短期集中講義】水虫治療 常識のウソ
もはや国民病となった水虫。でも、まだまだ、医師や医療関係者の中にも誤解は多いようです。水虫はきちんと理解して治療すれば完治も可能です。もう一度、しっかり勉強してみましょう。なお本連載では、愛着も込めて、白癬をあえて「水虫」と称します。

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