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主訴:授業中のけいれん(正答率:53%)
患者プロフィル:17歳男子高校生、野球部員

2013/04/03

 季節は夏。3日前より37℃台の発熱・頭痛、前日より食欲低下を認めていた。今朝、授業中に突然、全身性強直間代性けいれんを起こし、担任教諭が救急車を要請した。救急隊到着時、意識は回復しており、けいれんは2分程度だった。既往歴や内服薬は特になく、1週間前、口唇口角に水疱性紅斑を数日認めたという。飲酒や喫煙、旅行歴、動物との接触、性交渉はなく、当該地域における最近のインフルエンザや日本脳炎の流行情報もない。

 来院時の身体所見は、ぐったりした様子で声掛けに視点を合わせようとしないが、GCS(Glasgow Coma Scale)は15点(E4M6V5)。血圧130/70 mmHg、脈拍100回/分(整)、呼吸数19回/分、体温38.2℃、SpO2 98%(room air)。外観から推定体重は75kg程度。体幹・四肢に皮疹や刺し口、外傷痕なし。項部硬直なし。ケルニッヒ徴候(kernig sign)陰性。心音、呼吸音、腹部正常。神経学的診察では、脳神経、運動、感覚、協調運動に異常なし。頭痛のため歩行はできない。眼底所見でうっ血乳頭なし。迅速血糖測定で血糖140mg/dL。

 緊急頭部CT検査では、異常所見は特に認めず。CBC(全血球検査)では、白血球8700/mm3(左方移動なし)、Hb 13.0 g/dL、血小板35万/mm3。血液生化学検査では腎機能、肝機能、電解質に異常なし。抗HIV抗体陰性。鼻腔ぬぐい液の迅速インフルエンザ抗原検査は陰性。髄液検査は初圧15 cmH2O、細胞数19/mm3(単核18、多核1)、蛋白50 mg/dL、糖120 mg/dL(血糖130mg/dL)、赤血球カウントはゼロ。髄液グラム染色では細菌陰性、抗酸菌染色陰性、墨汁染色陰性だった。

 検査部門からMRIと脳波検査は本日中に実施可能との連絡を受け、その間にICU入院の手続きをしながら、治療について考えた。

著者プロフィール

徳田安春(筑波大水戸地域医療教育センター・水戸協同病院総合診療科教授)●とくだやすはる氏。1988年琉球大卒。沖縄県立中部病院総合内科、聖路加国際病院/聖ルカ・ライフサイエンス研究所を経て、2009年より現職。

連載の紹介

【臨床講座】内科救急臨床力テスト
2次救急に内科疾患の患者が運び込まれた際に、どのような処置をし、何を投薬すべきか。徳田安春氏が、全国の医師を対象に同じ設問で行った調査の結果を交えながら、クイズ形式で救急医療のピットフォールを解説します。

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