来院3日前より黄色痰を伴う咳あり、1日前より悪寒戦慄を伴う発熱に加え、食事摂取量の低下もあったため、家族が運転する自家用車にて受診した。咽頭痛、胸痛、呼吸困難、動悸、関節痛、筋肉痛なし。既往歴は特にない。薬剤アレルギー、喫煙歴、飲酒歴、内服薬なし。最近3カ月の抗菌薬投与や旅行歴、インフルエンザ感染なし。
身体所見:血圧120/70 mmHg、心拍数 100/分 整、呼吸数 32/分、体温38.2℃、SpO2 96%(室内気)。冷汗や冷感なし。意識清明。貧血、黄染、チアノーゼなし。頸部硬直なし。右側下肺野に聴診上holo-inspiratory cracklesを認める。心音整で、心雑音は聴取せず。単純X線写真上、右側下肺野に浸潤影を認めた。心電図正常。血算にて白血球数1万4000/μL、生化学検査にて腎機能は正常。
緊急で施行された喀痰グラム染色で、多数の多核白血球polymorphonuclear (PMN) leukocyteとともに、グラム陽性双球菌(ランセット型配列:下図参照)を多数認めた。また、尿中肺炎球菌抗原検査も陽性であった。
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著者プロフィール
徳田安春(筑波大水戸地域医療教育センター・水戸協同病院総合診療科教授)●とくだやすはる氏。1988年琉球大卒。沖縄県立中部病院総合内科、聖路加国際病院/聖ルカ・ライフサイエンス研究所を経て、2009年より現職。

連載の紹介
【臨床講座】内科救急臨床力テスト
2次救急に内科疾患の患者が運び込まれた際に、どのような処置をし、何を投薬すべきか。徳田安春氏が、全国の医師を対象に同じ設問で行った調査の結果を交えながら、クイズ形式で救急医療のピットフォールを解説します。
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