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主訴:1時間前からの吐血(正答率:58%)
患者プロフィル:65歳男性、元会社員

2012/01/10

 前日夕方から食欲不振と嘔気があった。起床直後より胸やけと心窩部痛あり。起床から2時間後に気分が悪くなり、トイレで便器が鮮血で真赤になるほどの吐血あり。救急車にて受診した。胸痛、呼吸困難、動悸なし。肝疾患、薬剤アレルギー、飲酒歴、内服薬なし。既往に胃潰瘍(40歳代)あり。一時内服治療を受けていたとのこと。

身体所見:血圧120/70 mmHg、心拍数 120/分 整、呼吸数 16/分、体温36.2℃
冷汗や冷感なし。意識清明。貧血様あり。黄染なし。呼吸音に左右差なし。両側肺野清。心音整で、心雑音は聴取せず。腹部は、聴診でhyperactive bowel soundあるも、圧痛や筋性防御なし。

 単純X線写真上、腹腔内遊離ガス像や鏡面像なし。心電図正常。血算にてヘモグロビン 11 g/dL。

 18Gの留置針で静脈ラインを確保し輸液開始後、緊急で施行された内視鏡で活動性の出血を伴う胃潰瘍を認めた。ただちに内視鏡下エタノール局注療法およびアドレナリン局注が行われ、止血を確認した。胃癌を示唆する所見はなかった。

 入院と食止めの指示を行いながら、必要な薬物治療を考えた。

著者プロフィール

徳田安春(筑波大水戸地域医療教育センター・水戸協同病院総合診療科教授)●とくだやすはる氏。1988年琉球大卒。沖縄県立中部病院総合内科、聖路加国際病院/聖ルカ・ライフサイエンス研究所を経て、2009年より現職。

連載の紹介

【臨床講座】内科救急臨床力テスト
2次救急に内科疾患の患者が運び込まれた際に、どのような処置をし、何を投薬すべきか。徳田安春氏が、全国の医師を対象に同じ設問で行った調査の結果を交えながら、クイズ形式で救急医療のピットフォールを解説します。

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