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AMR対策における地域連携・協力が成し遂げた成果
MRSA分離率が20%近くに抑制できている理由

2018/11/09
賀来 満夫(東北大学大学院医学系研究科教授)

 今回は、宮城県・東北地域におけるネットワーク活動のアクションプランである(1)情報の共有化、(2)連携・協力、(3)支援、(4)人材育成・教育啓発、のなかで、“連携・協力”の実際とその成果について紹介したいと思います。

 薬剤耐性菌は地域全体の問題です。図1に、ある医療施設(X病院)でMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が検出された入院患者123人の入院前後の状況を示します。入院する前に、X病院の外来に通院していたのは17人(13.8%)、自宅にいた方は11人(8.9%)、他の病院の外来に通院していた方が63人(51.2%)、高齢者施設に入所していた方は13人(10.6%)で、他の病院に入院していた方が19人(15.4%)でした。実に8~9割の方は、この病院と直接関係のない環境に暮らしていたことが分かります。

図1 MRSA検出入院患者の入院前後の状況

著者プロフィール

東北大学大学院教授の賀来満夫氏を中心に、共に活躍する東北感染症危機管理ネットワークのメンバーが担当します。ソーシャルネットワークで取り組む感染症危機管理活動は、政府が主催する「第1回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」で文部科学大臣賞を受賞しています。

連載の紹介

ソーシャルネットワークでAMRに挑む
薬剤耐性対策は、入院だけでなく、外来や在宅、さらには地域と様々な場面での対応が求められます。医療従事者や行政担当者、さらには一般市民などが一丸となって取り組む東北感染症危機管理ネットワークの実践例を基に、「地域で考える薬剤耐性対策」を紹介します。

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