先日、友人に料理教室に誘われた。料理教室なのだからエプロンを持っていかなければ、とタンスの奥の方を探したが、見つからない。以前はここにエプロンをしまっていたはずだが、幾度とない引っ越しとそれに伴う断捨離を繰り返しているうちになくしてしまったようだ。物にはあまり愛着がなく、物を捨てられなくて困るなんてことはない私だが、そのエプロンを大切にとっておかなかったことに関しては強烈に後悔した。あのエプロンはなくしてはいけなかった。それは、小学校の家庭科の授業で作ったエプロンだった。二十歳で亡くなった同級生が、縫うのを手伝ってくれたエプロンだ。

線香と花と空想科学読本との画像

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