
太融寺町谷口医院の「発熱外来」は対象を「かかりつけ患者のみ」としているため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者をそれほどたくさん診ているわけではない。それに発熱外来の時間を「午前診終了後のみ」、としているために診ている患者数もせいぜい日に5~6人程度だ。発熱外来を実施する医療機関が増えたおかげで、以前のように当院未受診の患者から「他で診てもらえるところがないんです!」という悲鳴のような電話がかかってくることも最近はほぼなくなった。
当院の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性率(陽性者/検査実施者)は6月上旬にいったん低下し、6月末に再び上昇、その後、(本稿を執筆している)7月中旬にはほぼ全例が陽性となる事態が続いている。
ところが、受診者のほぼ全員が軽症で、重症例は皆無だ。当院の患者層は比較的若い者が多いからそうなるわけだが、それにしても受診者のほとんどが「(解熱鎮痛薬や咳止めも含めて)薬は要らない」と言う。ここまでくると「ただのかぜ」というよりも「かぜ以下」だ。
もちろん、高齢者や重症化リスクを持つ者、あるいはワクチン未接種者の場合は同じようには考えられない。当院の患者でもワクチン未接種者は39℃を超える高熱が出ていた(ただし分類でいえばそれでも「軽症」に入る)。