
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査拒否が増えている。もっとも、この問題は以前から存在し、本連載でも一度取り上げたことがある(関連記事:新型コロナ、患者に検査を拒否させる要因は?)。
最近は、検査拒否どころか、「先週、発熱と咳があってコロナかと思ったんですけど、検査受けたらややこしいことになるでしょ。だから家から出ないようにして休んでたんです。そしたら治りました」と平然と言う患者もいるほどだ。この患者の言うように、現在SARS-CoV-2の検査が「ややこしいこと」になるのは患者目線からすると事実だ。今回は、まず、検査を勧めても拒否する者が多いことを確認し、なぜ検査が「ややこしいこと」になり、我々医師は検査を拒否する患者にどのように対応すべきかについて私見を述べたい。
つい最近経験した検査拒否の事例を紹介しよう(ただしプライバシー確保のため詳細はアレンジしている)。