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ポストコロナ症候群の患者指導にウエアラブルデバイスを活用

 ポストコロナ(ワクチン)症候群の診察には時間がかかる。ポストコロナ症候群の場合は、胸部X線上の異常陰影が残存していたり、Dダイマー高値が持続していたりすることもあるが、それらは少数であって、たいていは検査をしても何の異常もない。ポストコロナワクチン症候群の場合は接種側の腋下リンパ節腫脹が持続していることがあるが、その場合でも主訴は、動悸、倦怠感、息切れなどであることが多く、これらは検査による他覚的な評価が困難だ。

 動悸の場合、心電図をとっても解決するわけではない。たしかに経過観察が必要な洞性頻脈を呈することもあるにはあるが、その場合でもそれ以上の精査はたいては不要だ。しかし患者の訴えは切実であり、そのつらさの理解に努めなければならない。ではどうすればいいのか。今回は、当院が実施している“医療機器”を用いた様々な「不定愁訴」への対処法を紹介したい。

 当院は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行前から、もっと言えば15年前の開業時から不定愁訴の患者が少なくなかった。倦怠感、動悸、息切れ、めまい、頭痛、腹痛など、他覚的に評価しにくい症状を繰り返し訴える患者が少なくないのだ。「動悸で苦しい」と主張するが心電図で異常が出ない。ホルター心電図目的での循環器科への紹介を検討することもあるが検査前確率は低いだろう。

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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