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“コロナワクチン後遺症”に高額な検査や薬を強要するクリニック

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの長期にわたる後遺症が実際に存在するかどうかは意見が分かれるだろうが、接種後に何らかの症状が出現し、それが長期間持続していると訴える患者は決して少なくない。僕はこれを「ポストコロナワクチン症候群」と勝手に呼んでいるわけだが(「ポストコロナワクチン症候群」は存在するか)、もちろんこんな疾患名が認められているわけではないし、そもそも長期にわたる後遺症など初めから存在しないと考える医師も多いだろう。米国疾病予防センター(CDC)のウェブサイトには「コロナワクチンの長期にわたる副作用はない」とはっきりと書かれている。  

 だが、ワクチンが原因かどうかは別にして、ワクチン接種後の長期にわたる症状のために日常生活に支障を来している患者が少なくないのは事実だ。そういった患者に対しては、ワクチン関与の有無はさておき、どのような症状がつらいのかを聞き出し、必要があれば検査や投薬を進めていくべきだろう。

 当院にはそういった患者が毎日のように受診するが、たいていは診察の結果「検査も薬も不要」となる。ポストコロナ症候群の場合は、必要に応じて胸部X線の撮影や、血液検査(特にDダイマー)を行うこともあるが、ポストコロナワクチン症候群では初診時には何もしないことが多い。生活指導のみで改善する場合もあるからだ。特別な検査は不要で薬は使わない方がいいと判断するから何もしないわけだが、当院受診前にワクチン後遺症の“スペシャリスト”や“かかりつけ医”を受診して濃厚な検査や治療を受けているケースが目立つ。例を挙げよう(ただし、詳細には若干のアレンジを加えている)。

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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